みなさん、蕎麦湯は飲まれますか?
蕎麦湯を出されても、どうしていいかわからない、という方は多いと思います。
蕎麦湯の発祥
18世紀に長野から
蕎麦湯の発祥は長野県から。18世紀に長野から江戸に伝わり、関東地方へと広まって行きました。
なので、関東の方は蕎麦湯に馴染みがありますが、関西の方は馴染みがない傾向が強くなります。
関東は「そば文化」「関西はうどん文化」と、よく言われますしね。
僕の住む北陸での、そば人口うどん人口は個人的に半々のイメージがあるんですが、その背景には北陸が関東と関西の間にあるからかな〜、なんてことを思っています。
食文化の違い、というのは面白いですね〜。
蕎麦湯を飲む理由
で、何故蕎麦湯を飲むのか。
その理由は大きく2つ。
蕎麦は水溶性である
1つ目の、蕎麦は水溶性であるというのは茹でると50%程度、栄養素が釜の湯の中に溶け出ると言われています
いや〜、なんとももったいない話しです。
なので、蕎麦を食べた後に蕎麦湯を飲むことで、蕎麦の豊富な栄養素を取り込むことができるんですね。
お蕎麦屋さんのお出しは高級品
2つ目の、お蕎麦屋さんの出汁は高級であるというのは和食の出汁と比較をすると、和食の出汁は昆布と鰹、鰹は薄削りで血合いのないものを使用します。もちろん、それだけでなく椎茸など別の食材が入る場合もあります。
蕎麦の出汁は、昆布と鰹、鰹は優良菌種のカビ付け、熟成させた暑削りのものを使用します。
どちらの場合でも食材の値段はピン切りですが、一定程度のものを求めれば高価な食材になります。
なので、こちらも蕎麦湯で薄めて飲むことで、全てを余すことなくいただくことができる、ということになります。
どのくらいに薄めればいい?
お吸い物程度
お吸い物感覚で飲めるくらいまで薄める。残ってる出汁に対して3倍くらいの蕎麦湯を入れる、と言った感じでしょうか。
最初にそば猪口に出汁を全部入れてしまうと、出汁が多すぎてお吸い物まで薄められなくなります、その場合は空いた器に出汁を移してから蕎麦湯を入れて下さい。
それと、出汁で割らずに蕎麦湯をそのまま飲んでも構いません。
僕は出汁で割って飲む方が好きですが、そのままの方が好きだって方も結構いらっしゃいます。
蕎麦湯を飲むのはこう言った理由からなんですね。いずれにせよ、蕎麦湯を飲むとホッコリしますよね。
蕎麦湯もお店によってさまざま
蕎麦湯の濃度も違えば、蕎麦湯を出さないところもあります。
ウチの場合は冷たいお蕎麦には頃合いを見て蕎麦湯をお出ししますが、冷たいお蕎麦でも、丼に入っているものと温かいお蕎麦にはお出ししていませんが。
温かいお蕎麦でも欲しい方は、スタッフにおっしゃっていただければお出しする、といった感じです
僕の修行時代(20数年前)は釜の湯からすくって蕎麦湯を入れていましたが、これですと営業開始から終わりで濃度にえらい差がついてしまいます。
営業開始直後ですと、白湯ですしね。
だもんで、ウチでは釜の湯は使わず蕎麦粉を水で溶いて火入れをして作っています。
これ、単純に水分量を減らせば『そばがき』ができあがります。
これによって手間とコストはかかりますが、蕎麦湯の濃度は一定に保つことができます。
いつ頃からか、こういったやり方は増えて来ています。
蕎麦湯は絶対の飲まなければいけない?
いや、好みです
蕎麦湯の濃度が濃いのが好きか、薄いのが好きか、はたまた釜から取ったものが好きかは、個人の好みです。
もちろん、蕎麦湯を絶対飲まなければならないと言うこともありません。
これも好みです。
ただ、蕎麦湯に馴染みのない方に、なぜ蕎麦湯を飲むのか?と言うことを認知していただいたうえで飲んでいただいて、後はご自分で好きなように判断していただければと思います。
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