よくある質問。蕎麦を捏ねる回数
【僕は質感で判断しているので数えていません】
蕎麦を捏ねるときの『捏ねる回数』を気にされる方もいらっしゃるかもしれません。
そう言った質問をいただく機会が多いので数えてみました。
どこを1カウントと見なすかですが「片手で捏ねる」これを1カウント。
最後に「両手で空気を抜く」これも1カウントとして数えました。
で、これらを分けて数字を言います。
捏ねる回数の結果
【2キロ玉の片手で60回、両手で20回】
【1キロ玉の片手で45回、両手で15回でした】
捏ねる回数はそば粉の種類、玄蕎麦とむき身の割合、加水量、環境によって変わります。実際に自分とこでも夏場と冬場で、回数は変わります。
これはあくまで参考回数と思って下さい。

蕎麦粉にはつながる成分のグルテンが皆無
【これは僕の持論】
もしかすると捏ねれば捏ねるほど、つながりがよくなると考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、僕にはその考えはありません。
小麦粉にはグルテンという成分が含まれており、このグルテンがつなげる役割を果たしています。
蕎麦粉にはつながる成分は皆無です。そのためつながる成分の元である小麦粉を1割から2割入れます。
僕のお店では2割ですが……わずか2割です。
この2割の小麦粉が発揮する繋がる力にも限界値があると考えています。
過去の事例
【修業時代に師匠が「捏ねれば捏ねるほど繋がりがよくなるのでは?」というのを試していた】
ただこのときの対象は更科そばだったんですが、捏ねれば捏ねるほど繋がるのでは?と試していました。
捏ねの行程で20分ほど費やしたでしょうか。
参考までに、通常2キロの玉で10分以内に捏ね終わります。(厳密に言えば8分)
で、結果は………
つながりは強くならなかった、です。
むしろ空気に触れる時間が増えた分だけ、水分が奪われて乾燥してしまったように記憶しています。
結論
【小麦粉のつながる力には限界値がある。であるならば必要以上に捏ねても意味がない】
という結論にいたりました。
が、重要なのは回数ではありません。
捏ねるたびにしっかり力が入っているか
【力の入れ具合が深いか浅いかによって変わる】
蕎麦を捏ねるときは手のひらの付け根の部分で捏ねますが、打ち手の力の入れ具合が深くしっかり力が入っていれば捏ねる回数は少なくなります。
一方、力の入れ具合が浅くしっかり力が入っていない場合は捏ねる回数は多くなります。
『力』に関しては個人差があるので、それぞれの力に応じた対応が必要になります。
と言うことで、蕎麦を捏ねる回数を紹介いたしました。
それでは!
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