【お蕎麦はなぜ伸びやすい理由について】
世の中に、蕎麦が伸びやすい食べ物と認識している人はどれだけいるのでしょうか…
みなさんは蕎麦は伸びやすいと認識していますか。
それとも「いや、ぜんぜん大丈夫っしょ、いけるっしょ」なんて方もいらっしゃるでしょうか。
そうなんです。「うどん」「ラーメン」「パスタ」「蕎麦」いくつある麺類の中で蕎麦が一番伸びやすい食べ物なんです。
結論を言うと。
小麦の中に「グルテン」という成分が入ってまして、これが主に繋がる役割をはたしています。
そして、お蕎麦というと
●十割蕎麦 蕎麦粉、十割
●九一蕎麦 蕎麦粉、九割 小麦、一割
●二八蕎麦 蕎麦粉、八割 小麦、二割
といった感じの割合になっています。
お蕎麦の場合は繋がる成分の「グルテン」が入ってもせいぜい一から二割なので、小麦が主体のうどんなどから比べると伸びやすくなります。
では、お蕎麦を伸びにくくするにはどうすれば良いのかと言うと、小麦の量を増やせばいいだけ……なんですが、繊細な味わいの蕎麦粉の量を減らして小麦の量を増やせば当然、蕎麦としての価値はなくなります。
ここらへんはそれぞれの価値観にもよりますけどね。

極端な話し、蕎麦粉三割、小麦七割でそれっぽい色を付けて作れば伸びにくく、強度の強い「なんちゃって蕎麦」もしくは「限りなく素麺に近い蕎麦」が出来上がります。
伸びやすいということは、強度が弱い=切れやすい、ということになります。
十割、九一、二八、の中では、十割が強度が弱く切れやすい蕎麦になります。
十割蕎麦を食べたことがある方は出てきた蕎麦が切れぎれだった。なんてことがあろうかと思いますが、それは蕎麦粉の特性上のものなんですね。
切れぎれになるが、より繊細な蕎麦を愉しんでほしいと思えば十割蕎麦を。
多少は蕎麦の味わいが削がれるが、繋がった蕎麦を愉しんでほしいと思えば二八蕎麦を。
といった感じになりますが、これはどちらが良い悪いではなく、提供者である店主がどうしたいかによって変わります。
むしろそれぞれの愉しみ方がある、と認識している方が広い意味で蕎麦を愉しむことができるのではなかろーかと思っています。
コメント
いつも真剣に拝見しています。
見たところ電気釜ですね。
最近お店でも電気釜に変える話が出ており
清掃性がいい反面
立ち上がりや対流がどうなんだろうと
話していましたが
ブログの写真すごく対流してますね
参考になりました。
今後も業界の深いい話まっています。
mulan4563さん
ありがとうございます。
11年前、僕が購入する時点でも対流の問題点の声はありました。
僕は「なんとかなるかな〜」くらいだったんですが😅
ウチの規模感だと何の問題もないです。
席数は22席で個人的に回転率は良い方だと思っていまして、一度に仕上げる数は5人前です。
首都圏でより多くのお客様に対応するとなると、もしかすると不向きかもしれません。
清掃性はバツグンですが、釜の取り外しができないため「かえし」を釜で作りたい方は不向きだと思います(僕は寸胴で作ります)
釜の側にある蛇口から80℃ほどの熱湯が出るため、それを使っての立ち上がりは20分程度です。
水からの立ち上げはやった事がないのでわかりません。
参考になれば幸いです😄